ハワイで暮らすなら、自炊はできます。キッチン付きの物件はたくさんありますし、コンロも冷蔵庫も一通り揃っています。
ただし、「何があるか」「どのレベルのものか」は物件次第です。そして、日本で当たり前だった調理器具が、こちらでは全く手に入らないこともあります。
旅行で数日過ごすだけなら気にならないことでも、実際に暮らす(*)となると、小さな不便が積み重なってストレスになります。私自身、ハワイで自炊生活を始めた当初は「なんでこんなに使いにくいんだろう」と戸惑うことが何度もありました。
この記事では、私が実際に住んでみて感じた「あって助かったもの」「想定外だったもの」を中心に書いていきます。これからハワイで暮らす方が、事前に準備できる判断材料になれば嬉しいです。
(*)生活費については、こちらの記事で詳しくまとめています。
ハワイの住宅キッチンは「あるけど日本仕様ではない」

↑実際に住んでいたハワイの賃貸住宅のキッチンです。外光がたっぷり入る気持ちのいいキッチンで基本的な調理器具は揃っていました。作業台は当時小学校3年生の娘の胸の高さまであり、日本の備え付けキッチンより高めでした。写真左下に見える扉は備え付けのオーブン。かなり大きいですよね!!
設備は一通りあるが、クオリティは期待しすぎない
ハワイの賃貸住宅では、冷蔵庫・電子レンジ・コンロ・オーブンはほぼ標準装備です。家具・家電付き物件なら、フライパンや包丁、食器類も「一応ある」ことが多いです。
ただし、日本で慣れている使い心地とはかなり違います。
「設備が揃っている」と聞くと、日本の賃貸のように使いやすいものが用意されているイメージを持ちがちですが、実際には古くて重いフライパンだったり、切れ味の悪い包丁だったり。使えないわけではないけれど、毎日使うにはストレスを感じるレベルのものも少なくありません。
ここで判断が分かれるのは、最低限でいい人と、こだわりたい人の違いです。数ヶ月の滞在で、とにかく自炊ができればいいという人なら、備え付けのもので十分かもしれません。一方で、長期滞在や移住前提で、毎日快適に料理をしたい人には、自分で調達する必要が出てきます。
日本人移住者が戸惑いやすいキッチン設備・調理器具【実体験ベース】
ここからは、私が実際にハワイで暮らしてみて「これは想定外だった」「日本と違って困った」と感じた具体的な項目を紹介します。
炊飯器:家具家電付きでも「ない」ことがある
日本人が多く住むコンドミニアムでは、炊飯器が備え付けられていることもあります。でも、家具・家電付き賃貸でも、炊飯器がないケースは珍しくありません。
私たちが借りた物件にも炊飯器はありませんでした。現地の人はお米を鍋で炊いたり、電子レンジ用の調理器具を使ったりするので、炊飯器が標準装備という感覚がないんです。
結局、近くのディスカウントストアで最低限の機能のものを買いました。価格は手頃でしたが、やはり日本の炊飯器と比べると炊き上がりに差を感じました。
ご飯にこだわりがある人、長期滞在や移住前提の人は、日本から持参する選択肢もアリだと思います。電圧の問題があるので変圧器が必要ですが、毎日食べるものだからこそ、ストレスなく美味しく炊けることの価値は大きいです。
菜箸:アメリカはトング文化で用意されていない
ハワイの備え付けキッチンには、菜箸がないことがほとんどです。その代わりにトングが中心です。
もちろんトングでも調理はできますが、私は菜箸の方が圧倒的に使いやすいと感じました。炒め物や煮物、細かい盛り付けなど、日本の料理を作るなら菜箸がないと不便です。
幸い、菜箸は小さくて軽いので、スーツケースに入れても荷物になりません。ストレスを減らすために持っていく価値は十分にあります。現地の日系スーパーでも手に入りますが、種類は限られています。
ラップ:日本製との使い勝手の違いが大きい
これは本当に盲点でした。現地で売っているラップは、とにかく使いにくいです。
スパッと切れない、箱がすぐに壊れる、くっつきが悪い。日本のラップがどれだけ高機能で使いやすいか、ハワイで暮らして初めて実感しました。
荷物に余裕があれば、日本から数本持参することを強くおすすめします。日系スーパーでも買えますが、日本の倍近い価格になることもあります。軽いので、スーツケースの隙間に入れておくと後で助かります。
計量カップ:日本の「1カップ」とは違う
意外と知られていませんが、アメリカの計量カップは日本と容量が違います。日本の1カップは200mlですが、アメリカでは約240mlです。
現地で売っている計量カップを使って、日本のレシピ通りに作ると、微妙に仕上がりがズレることがあります。特にお菓子作りや炊飯では、この差が意外と響きます。
日本のレシピでよく料理をする人は、日本の計量カップを持参すると安心です。かさばらないので、持っていく負担もほとんどありません。
フライパン:用意されていても使いにくいことが多い
私が住んだ物件には、フライパンが備え付けられていました。でも実際に使ってみると、重い、フッ素加工なし、すぐ焦げ付くという三重苦でした。
毎日料理をする身としては、これがかなりストレスになりました。結局、近くのディスカウントストアで軽くて使いやすいフライパンを買い直しました。
「ある=使える」ではないというのを、フライパンで痛感しました。物件の写真だけでは判断できない部分なので、入居後に自分で調達する前提でいた方が安心です。
包丁:重い、そして切れない
備え付けの包丁も、正直使いづらかったです。刃が分厚く、重く、切れ味もあまり良くない。
アメリカの包丁は肉を切ることを前提に作られているものが多く、日本のように野菜を細かく刻むのには向いていない印象でした。トマトを切るだけでも力が必要で、繊細な作業がしにくいです。
料理にこだわりがある人は、日本から持参するか、現地で買い替えを検討した方がいいと思います。私は結局、日系スーパーで日本製の三徳包丁を買いました。値段は張りましたが、毎日使うものなので満足しています。
オーブン:大きすぎて扱いにくいが、慣れると便利
ハワイの住宅には、大型のオーブンが標準装備されていることが多いです。ただし、容量がとにかく大きく、予熱に時間がかかるので、最初は使いづらいと感じました。
日本の感覚で「ちょっとトーストを焼こう」と思っても、予熱だけで10分近くかかることもあり、面倒に感じることもありました。
ただし、慣れると便利な面もあります。大きな肉をそのまま焼けるのは、日本の小さなオーブンではできないこと。ローストチキンやラザニアなど、アメリカ式の料理を作るには最適です。
日本的な感覚を捨てると、評価が変わる設備の代表例だと思います。
トースター:意外な落とし穴
備え付けのトースターは、縦型のスロット式が一般的です。食パンを縦に入れて焼くタイプですね。
これだと、ピザトーストやチーズトーストが焼けません。オーブンで代用しようにも、予熱が長くて朝の忙しい時間には不便です。
朝にサッと調理したい人は、どのタイプのトースターが備え付けられているか、事前に確認することをおすすめします。もし縦型だけなら、小型のオーブントースターを現地調達するのも一つの手です。
持っていくか現地調達か?移住者目線の判断基準
ここまで読んで、「結局、何を持っていけばいいの?」と迷う方もいると思います。私なりの判断基準をまとめると、こうなります。
持参した方がいいもの
- 軽くて、使い慣れているもの(菜箸、計量カップ、ラップなど)
- 日本でしか手に入らないもの、現地で高額になるもの
- 「ないとストレスになる」と感じるもの
現地調達でいいもの
- かさばるもの(フライパン、鍋など)
- 現地で安く手に入るもの
- 滞在期間が短く、帰国時に処分する前提のもの
大切なのは、「ないとストレスになるか?」という基準で考えることです。人によって、料理へのこだわりや滞在期間、家族構成が違うので、必要なものも変わります。
移住者目線で言えば、最初から完璧に揃えようとせず、住み始めてから少しずつ調達していくのが現実的だと感じています。
まとめ:日本基準を一度リセットすると、楽になる
ハワイのキッチンは、不親切なわけではありません。前提が違うだけです。
現地の人にとっては使いやすく、合理的に設計されています。ただ、日本の生活スタイルで料理をしようとすると、どうしてもズレが出てきます。
でも、暮らす前にこうした違いを知っておくだけで、無駄なストレスを減らせます。「なんでこんなに使いにくいんだろう」と不満を感じるのではなく、「そういうものなんだ」と受け入れて、自分なりに対応していく。
その準備ができているかどうかで、ハワイでの自炊生活(*)の快適さは大きく変わると思います。
(*)参考までに、自炊におすすめのレシピはこちらの記事でまとめています。
