今回はハワイに2回移住した私の実体験から、家賃相場の実態と物件探しのリアルをお伝えします。
10年前の初回移住時は妊娠中の単身、2年前の2回目は小学生2人を連れた家族での移住でした。それぞれ全く違う条件での住まい探しを通じて、ハワイの住宅事情の厳しさと、それでも理想の住まいを見つけるコツを学びました。
観光で訪れるハワイと実際に暮らすハワイは全く別物。特に住居費の高さは覚悟していても驚くレベルです。この記事では、私の失敗談も含めて正直にお話しします。
私の2回のハワイ住まい体験談
【1回目】妊娠中のワイキキ生活(2011年)
当時の状況 妊娠5ヶ月で夫の仕事の都合により急遽ハワイ移住が決定。車の運転ができない状態だったため、「バスで生活できる立地」が最優先条件でした。
住んだ物件の詳細
- 立地: ワイキキ中心部のコンドミニアム(築年数不明だがかなり古い、リノベーション済み)
- 間取り: 1LDK(約45㎡)
- 家賃: 月$2,500(家具付き、光熱費込み、駐車場1台分込み、税金込み)
- 駐車場: 1台分が家賃に含まれる(車を持たないため割高感あり)
- 初期費用: 保証金$2,500、仲介手数料なし
物件探しの過程 夫の会社が用意してくれた短期宿舎に2週間滞在し、その間に決めることに。Craigslistで毎日物件をチェックし、気になる物件にはすぐにメール。返事が来たものから順番に内見の約束を取りました。
結果的に3件見学しましたが、1件目は車ならワイキキまで10分程度でしたが、バスの便が悪く、2件目はスーパーの目の前でしたが家具がなく家賃も割高なため、3件目の物件で決めました。
決め手となったポイント 3件目で訪れた物件が理想的でした。決め手は以下の通り:
- バス停まで徒歩2分 → 妊娠中の移動が楽
- 大家さんの人柄 → ベトナム出身の女性で、ご主人がお医者様だったので妊婦への配慮が行き届いている
- 24時間セキュリティ → 一人の時間が多いので安心感が重要
- 病院へのアクセス → 産婦人科まで車で10分
- 共用設備の充実 → プール、ジム、ランドリーが各階にあり
住んでみて良かった点
- 買い物が徒歩圏内で完結(ABCストア、フードパントリー(現在は閉店しています)、薬局)
- バス1本でアラモアナショッピングセンターへ行ける
- 観光客が多いエリアなので夜でも人通りがあり安全
- 日本人コミュニティとのつながりができやすい
住んでみて困った点
- 共用ランドリー → 各階にあったが混雑時は待ち時間が長い
- 階下の住人のタバコの煙 → ベランダ喫煙の煙が上がってくるのが困った
- エレベーター待ちが長い → 観光客も使うため朝夕は特に混雑
- 駐車場が無駄 → 車を持たないのに駐車場代込みで割高感
- 建物の古さ → リノベーションしてあり室内は綺麗だったが、共用部分は年代を感じた
【2回目】子連れファミリーのカイルア生活(2022年)
当時の状況 小学3年生と5年生の子供2人を連れての移住。今度は教育環境と子育てしやすさを最重視。車は持たない前提で、公共交通機関や自転車でスーパーなどにアクセス可能な物件を探しました。
住んだ物件の詳細
- 立地: カイルア(ホノルルから車で40分)
- 間取り: 2LDK一軒家(約100㎡)+ 庭
- 家賃: 月$3,300(家具付き、光熱費込み)
- 駐車場: ガレージ1台分(家賃に含む)
- 設備: 洗濯乾燥機付き(室内設置)、バスタブなし(シャワーのみ)
- 初期費用: 保証金$3,300、仲介手数料なし
物件探しの過程 今回は日本にいるうちから情報収集を開始。ハワイ在住の知人に相談したところ、「カイルアは自然豊かで子育て世帯が多い」と教えてもらいました。
その知人が大家さんを紹介してくれて、オンラインでのビデオ通話で物件を確認。写真だけでなく、大家さんが家中をライブで案内してくれたので安心でした。到着日に実際に内見して、その場で契約書にサイン。
決め手となったポイント
- カイルアの自然環境 → ビーチが近く、子供たちがのびのび成長できる
- 知人の紹介 → 大家さんとの信頼関係が最初からあった
- 子育て世帯の多いエリア → 近所に同年代の子供がたくさん
- 広い庭付き → 子供たちの遊び場と休日は庭で朝ごはんやランチ
- 静かな住宅街 → 車通りも少なく安全
住んでみて良かった点
- 子供たちが伸び伸び成長 → 裏庭が大家さん(小さなお孫さんがいる)のお宅と一続きなので、よく子供同士一緒に遊んでもらった
- 美しいカイルアビーチが近い → 徒歩15分で世界的に有名なビーチへ
- 洗濯乾燥機が室内にある → 1回目の共用ランドリーの不便さから解放
- 大家さんがとても親切 → 家電の故障時や配管が詰まった時もすぐに対応
- 治安の良さ → 夜のウォーキングも安心してできる
住んでみて困った点
- バスタブがない → シャワーのみで、子供たちがお風呂を恋しがった(でも他の条件が良かったので妥協)
- 車を持たない生活の工夫が必要 → 自転車での買い物、友達の車でコストコ利用
- 買い物を細分化する必要 → 週2-3回に分けてスーパーやドラッグストアを使い分け
- 観光地化の影響 → 近年観光客が増加し、交通渋滞が悪化
車なし生活の工夫 実は2回目も車を持ちませんでした。買い出しは自転車で週に2-3回に分け、スーパーやドラッグストアを使い分けて調達。さらに友達の車で時々コストコに連れて行ってもらい、シャンプーや洗剤などの消耗品はそこで一気に購入していました。
実体験から学んだ家賃相場の実態
ワイキキ・アラモアナエリア(コンドミニアム中心)
私の体験(2011年)
- 1LDK家具付き:$2,500(税金、光熱費、駐車場1台分すべて込み)
- 築年数不明だがかなり古い、リノベーション済みで室内は綺麗
現在の相場(2024年) 友人たちの情報を聞く限り、同じような物件でも$3,200-3,800は必要。10年で約30%上昇している印象です。
間取り | 2011年の体験 | 2024年の相場 | 上昇率 |
---|---|---|---|
スタジオ | – | $2,800-3,400 | – |
1LDK | $2,500(全込み) | $3,200-4,000 | 約28-60% |
2LDK | – | $4,200-5,500 | – |
郊外エリア(一軒家中心)
私の体験(2022年)
- 2LDK家具つき:$3,300(光熱費込み)
- 築年数不明だが古め?リフォームしているようで、室内は綺麗でした
約100㎡、庭付き
現在の相場感(2024年) 同じような物件を探している友人の話では、$3,600-4,200が相場。2年で約10-15%上昇しています。
エリア | 2022年の体験 | 2024年の相場 | 特徴 |
---|---|---|---|
カイルア | $3,300 | $3,600-4,200 | ビーチ近く、観光地化進行 |
ミリラニ | – | $4,600-5,200 | 学校区良好、ファミリー向け |
エヴァ・カポレイ | – | $4,200-5,000 | 新興住宅地、開発中 |
物件探しの実践的なコツ(失敗談から学んだ教訓)
1. 情報収集の段階
成功した方法
- Craigslistは毎日チェック → 良い物件はすぐに埋まる
- 現地在住の知人に相談 → ローカル情報が一番信頼できる
- 複数のサイトを併用 → Zillow、Realtor.comも活用
失敗から学んだこと
- 写真だけで判断するのは危険
- 「オーシャンビュー」「リノベーション済み」等の表現に注意
- 家賃が相場より安い物件には必ず理由がある
2. 内見時のチェックポイント(私の失敗談付き)
絶対にチェックすべき項目
水回り系
- シャワーの水圧
- バスタブの有無
- お湯の温度と出具合
- 洗濯機の設置場所 ← 共用ランドリーの混雑度も確認
音環境
- 上下左右からの騒音 ← 特に観光客の多いエリアでは注意
- 外からの騒音 ← 大通り沿いは想像以上にうるさい
- 時間帯による違い
実用性
- 携帯電話の電波状況 ← 意外に圏外エリアが存在
- インターネット回線 ← リモートワークなら必須確認
- 自然の風通し ← エアコンなしでも快適に過ごせるかチェック
周辺環境
- 最寄りバス停への実際の距離 ← Googleマップより遠く感じることが多い
- スーパー・薬局へのアクセス ← 車なし生活なら徒歩圏内必須
- 夜間の明るさと人通り ← 安全面で重要
3. 大家さんとのやり取りで重要なこと
1回目の成功例 大家さんが夫妻がとても親切でした。妊娠中ということを伝えると、ご主人はお医者様で、「何かあったらすぐに連絡して」と言ってくれて、実際に体調が悪い時にも気遣ってもらえました。
2回目の成功例 知人の紹介だったこともあり、最初から信頼関係がありました。子供たちの学校のことや、おすすめの病院など、生活全般にわたってアドバイスをもらえました。
大家さん選びのポイント
- レスポンスの早さ
- 質問への回答の丁寧さ
- 過去の入居者との関係性(可能なら確認)
- 緊急時の対応体制
契約時に注意すべき点
契約前に必ず確認すること
費用関連
- 家賃に含まれる費用の詳細 → 光熱費、税金、インターネット、ケーブルTV
- 駐車場代の有無 → 1回目は盲点でした
- 初期費用の内訳 → 敷金(保証金)、清掃費、仲介手数料
- ペット可の場合の追加料金 → 保証金$300-500が一般的
契約条件
- 最低契約期間 → 通常1年、早期解約のペナルティ
- 家賃更新時の上昇率 → 年間5-10%は覚悟が必要
- 修繕責任の分担 → どこまで大家負担か明確に
私が経験したこと 1回目、2回目とも大家さんとの関係が良好だったため、設備に関する小さなトラブル(電球の交換、排水の詰まりなど)はすぐに対応してもらえました。契約書には「大家負担」の範囲を明記してもらい、トラブルを避けることができました。
エリア別住み心地レポート
ワイキキエリア(1回目の体験)
メリット
- 交通の便が抜群 → バスでどこでも行ける
- 徒歩圏内で生活完結 → 買い物、食事、銀行などすべて近い
- 医療機関へのアクセス良好 → 妊娠中は特に安心
- 日本人コミュニティ → 情報交換や友達作りがしやすい
デメリット
- 観光地価格 → 食材や生活用品が高い
- 騒音問題 → 夜中でも観光客の声が聞こえる
- 駐車場代が高額 → 車を持つと維持費が大変
- 住民と観光客の混在 → 生活感を求める人には向かない
カイルアエリア(2回目の体験)
メリット
- 世界的に有名な美しいビーチ → カイルアビーチまで徒歩15分
- 自然環境が抜群 → 海と山に囲まれた最高のロケーション
- 室内洗濯乾燥機完備 → 1回目の共用ランドリーの不便さから解放
- 子育て環境が良い → 近所に同年代の子供が多く、安全な住宅街
- 車なしでも工夫次第で生活可能 → 自転車+友人の協力で買い物をカバー
デメリット
- バスタブなし → シャワーのみで子供たちが日本のお風呂を恋しがった
- 買い物に工夫が必要 → 自転車で週2-3回に分けて調達
- 観光地化の進行 → 年々観光客が増加し、静かな住宅街の雰囲気が変化
- 大型買い物は友人頼み → コストコなどは友達の車に依存
- 公共交通の制限 → バス本数が少なく、時間に制約あり
よくある質問(私の経験から答えます)
Q1: 日本からでも物件を確保できますか?
A1: 可能ですが、リスクが高いです
私の2回目は日本からオンラインで見学しましたが、契約は現地を見てからにしました。Craigslistだけを見て決めるのは危険。実際に詐欺物件も多数存在します。
おすすめの方法:
- 短期宿泊施設(Airbnbなど)を1-2週間確保
- 現地到着後に実際に内見してから決める
- どうしても日本から決めたい場合は、現地の知人に代理で見てもらう
Q2: 家具付きと家具なし、どちらがお得?
A2: 滞在期間と目的によります
1年以内の短期なら家具付きが断然お得 私は1回目、2回目ともに1年間と決まった期間だったので家具付きを選択しました。家具を一式揃える初期費用($3,000-5,000)と引っ越し時の処分の手間を考えると、家賃が20-30%高くても家具付きが賢明でした。
1年以上なら家具なし
- 長期的には経済的
- 自分好みの家具を選べる
- 家賃を抑えられる
実際の比較(私の体験):
- 家具付き1LDK(ワイキキ):$2,500
- 家具なし同等物件の相場:$2,000程度
- 差額$500×12ヶ月=$6,000 vs 家具購入費$4,000程度
1年以内なら家具付きの方が結果的に安くつきました。
Q3: ペットを飼いたい場合の注意点は?
A3: 物件探しの難易度が上がります
コンドミニアムはペット不可が多く、一軒家の方が選択肢は豊富です。
追加費用の目安:
- ペット保証金:$300-500(退去時に返金される場合が多い)
- 月額ペット料金:$25-75
- 大型犬の場合はさらに高額になる傾向
まとめ:ハワイ移住を成功させる住まい選びのコツ
2回のハワイ移住体験を通じて学んだ最も重要なことは、「自分の優先順位を明確にすること」です。
1回目の教訓 妊娠中という特殊な状況では、利便性とセキュリティが何より重要でした。家賃は高くても、安心・安全に暮らせる環境を選んで正解でした。
2回目の教訓 子育て世帯では、教育環境と近隣コミュニティの質が生活の満足度を大きく左右します。通勤時間が長くなっても、子供たちの笑顔を見ると選択に後悔はありません。
これからハワイ移住を考えている方へのアドバイス
- 家賃は収入の35%まで → それ以上は生活が厳しくなります
- 必ず現地で内見 → 写真と実物は必ず違います
- 大家さんとの相性を重視 → 生活の質に直結します
- 長期的な計画を立てる → 1-2年後の変化も想定して選択
- 現地の知人を作る → 最も信頼できる情報源になります
ハワイの家賃は確実に高いですが、それでも「ここに住んで良かった」と思える瞬間が必ずあります。しっかりと準備をして、あなたの理想のハワイ生活を実現してください!
<<おまけ>>Craigslist(クレイグズリスト)とは?
ハワイで物件探しをする人の多くが利用するのが Craigslist(クレイグズリスト) です。
- アメリカ全土で使われる「掲示板型クラシファイドサイト」
- 物件の賃貸情報や売買、中古品の販売、求人など、さまざまな情報が掲載されている
- ローカルの大家さんや仲介業者が直接投稿しているため、日本からでも情報収集が可能
実際に私もCraigslistを使って候補を絞り、現地到着後に内見を行いました。
ただし、注意点もあります。
- 写真と実物が違うケースもある
- 詐欺まがいの投稿が紛れていることもある
- 契約は必ず「直接内見してから」が鉄則
Craigslistは便利ですが、現地での確認と、大家さんとの直接のやり取りが必須 です。
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シリーズで読む「ハワイ子育て体験談」
本記事は、ハワイでの子育て体験談シリーズのひとつです。
「学校選び」「入学準備」「日常の買い物」「医療事情」など、実際の経験をもとにリアルな情報をお届けしています。
これからハワイでの生活をスタートする方や、移住を検討している方の参考になれば嬉しいです。