「仕事・育児・家事」完璧にこなそうとしなくていい
「仕事が終わってからも、やることが山積み。」
夕飯の準備、洗濯、片づけ、子どもの宿題チェック…気づけば座る暇もなく、1日があっという間に終わっている。そんな日々がずっと続いていました。
仕事をしながら子育てをするワーキングマザーにとって、時間は最も貴重な資源です。厚生労働省の調査によると、共働き世帯は年々増加しており、2023年には全体の約70%を占めています。多くのママが同じように時間との戦いを繰り広げているのです。
でも、ある日ふと気づきました。
「私、全部ちゃんとやらなきゃって思い込みすぎてたかも」
それから、”やらない家事”を意識的に増やすことにしました。手を抜くのではなく、工夫してラクにまわす。少しずつ習慣を見直すことで、心にもゆとりが生まれてきたのです。
この記事では、私が3年間試行錯誤して辿り着いた、実践的な時短家事のコツを詳しくご紹介します。毎日がんばっているママのヒントになればうれしいです。
ワーママの時短家事7選【実践編】
① 洗濯は毎日しない。「1日おき+乾燥機」で時短を実現
毎日の洗濯が負担になっていた日々
毎朝早起きして洗濯機を回し、出勤前に慌てて干す…。夜に洗ったり、雨に濡れて洗い直したりと、毎日バタバタしていました。特に梅雨の時期や冬場は、洗濯物が乾かずにストレスが溜まる一方でした。
洗濯頻度を見直した結果
そこで、「本当に毎日洗う必要ある?」と見直し、1日おき+乾燥機メインに切り替えることにしました。
変更前:毎日洗濯→干す→取り込む→たたむ(所要時間:毎日約40分)
変更後:1日おき洗濯→乾燥機(所要時間:隔日約10分)
電気代は月1000〜2000円ほど上がりましたが、干す・取り込む・天気を気にする手間がゼロになったのは大きなメリット。タオルがふわふわになるのもうれしいポイントです。
洗濯を効率化するポイント
- 下着や靴下は余裕を持って枚数を用意する(3日分以上)
- タオルも多めに準備し、毎日洗濯しなくても回るようにする
- 乾燥機NGの衣類は週末にまとめて干す日を設ける
- 洗濯ネットを活用して仕分けの手間を省く
忙しいママには、洗濯乾燥機は十分に投資する価値あり!時間をお金で買うという発想も、時には必要だと実感しています。
② 掃除も毎日じゃなくてOK。掃除機はコードレス一択
掃除の頻度を見直した経緯
赤ちゃんがハイハイしていた頃は毎日掃除していましたが、今は「週1回の本格掃除+ついで掃除」で十分と割り切っています。
実は、一般家庭で毎日掃除機をかける必要性は、衛生面から見てもそれほど高くありません。週に1〜2回の掃除機がけと、日々の簡単な清掃で十分清潔を保てます。
「ながら掃除」で効率アップ
トイレに入ったついでに床を拭いたり、歯磨き中に鏡を磨いたりと、”ながら掃除”が基本。道具はすぐ手に取れる場所に置いておくと、気づいたときにサッと使えます。
わが家の「ながら掃除」スポット:
- トイレ:使用後にサッと便器と床を拭く(トイレ用シートを常備)
- 洗面所:歯磨き中に鏡と蛇口を磨く(マイクロファイバークロスを設置)
- キッチン:調理の合間にコンロ周りを拭く(すぐ手に取れる位置に布巾)
コードレス掃除機で時短を実現
掃除機はコードレススティック型一択。リビングに出しておけば、子どもの食べこぼしにもすぐ対応できます。
コードレスのメリットは、「コンセントを探す」「コードを引っ張る」「絡まりをほどく」といった小さなストレスがゼロになること。この数秒の手間がなくなるだけで、掃除へのハードルが劇的に下がります。
③ 食器洗いは卒業?食洗機におまかせしてみる
食後の時間を取り戻す
食後は片づけより、少しでも休みたい。そう思いながらも、ついシンクに立ってしまう…その時間、もったいなく感じませんか?
食器洗いは毎日発生する家事の中でも、特に時間がかかるもの。1日3食分で考えると、1回15分としても45分。これが365日続くと約273時間、つまり年間で約11日分もの時間を食器洗いに費やしていることになります。
食洗機導入のメリット
食洗機にお任せすれば、洗う手間も悩む時間もゼロ。浮いた時間を、子どもとの団らんや自分の休憩にあてられます。
食洗機のメリット:
- 手洗いより節水できる(1回あたり約20〜30リットルの節水)
- 高温洗浄で衛生的
- 手荒れの心配がない
- 洗い物の山を見るストレスから解放される
食洗機がない場合の工夫
もしスペース的に難しい場合は、ワンプレートで洗い物を減らす工夫もおすすめです。カフェ風のワンプレートごはんは見栄えも良く、子どもも喜んでくれます。また、使い捨ての紙皿を活用する日があってもいいと、今は考えています。
④ 献立は1週間分まとめて考える【献立ストレスを軽減】
毎日の「何作ろう」から解放される
「今日何作ろう…」と毎晩悩むのがしんどくて、週末に1週間分の献立を決める習慣を取り入れました。
実は、献立を考えるという「意思決定」そのものが、脳にとって大きな負担になっています。決断疲れ(Decision Fatigue)という言葉があるように、1日に何度も小さな決断を繰り返すと、思考力が低下してしまうのです。
献立計画の立て方
月曜は鶏肉、火曜は魚、水曜は豚か牛…と、曜日ごとにジャンルを決めておくと、考えるのがグッとラクになります。
わが家の週間献立パターン例:
- 月曜:鶏肉料理(唐揚げ、チキンソテーなど)
- 火曜:魚料理(焼き魚、煮魚など)
- 水曜:豚肉料理(生姜焼き、豚汁など)
- 木曜:牛肉または合挽き肉料理(ハンバーグ、カレーなど)
- 金曜:麺類または丼もの(気軽な日)
- 土日:家族リクエストまたは外食
献立管理のコツ
献立は卓上カレンダーに書いてキッチンに置いておけば、「今日のごはんなに〜?」攻撃も減少。家族も予定が分かるので、「明日は○○だから楽しみ」という会話も生まれます。
最近はChatGPTなどのAIに献立を相談するのも便利!「鶏肉と玉ねぎを使った簡単レシピ」などと入力すれば、すぐにアイデアをもらえます。
⑤ アイロンは基本かけない!服選びで時短【衣類選びの戦略】
アイロンがけの負担
アイロンがけって、子どもが寝た後など、時間と気力が必要でけっこう大変。アイロン台を出して、温めて、かけて、片づけて…という一連の作業は、疲れた夜には本当に億劫です。
「アイロン不要」を基準に服を選ぶ
そこで、「アイロン不要」を条件に服そのものを見直しました。シワになりにくい素材や、乾きやすい生地を選べば、アイロンの出番はほとんどなくなります。
アイロン不要な素材・アイテム:
- ポリエステル混紡素材のシャツ(形態安定加工)
- カットソーやニット素材の服
- ストレッチ素材のパンツ
- 速乾性のある化学繊維
今ではアイロンをかけるのは、子どもたちの給食当番の白衣くらい。服選びも立派な時短術です。購入時に「洗濯表示」を確認する習慣をつけると、後々のメンテナンスがグッと楽になりますよ。
⑥ 買い物は週1まとめ買い+宅配でスマートに【買い物戦略】
買い物の隠れた負担
実は、買い物ってかなりエネルギーを使う家事なんですよね。スーパーまで行く、駐車場を探す、店内を歩き回る、レジに並ぶ、重い荷物を運ぶ…と、考えただけでも疲れます。
特に仕事帰りに子連れでスーパーに寄ると、「これ買って」攻撃や、疲れて機嫌が悪くなる子どもをなだめながらの買い物は、精神的にも体力的にも消耗します。
わが家の買い物システム
そこで我が家は、週1回のまとめ買い+宅配サービスに切り替えました。献立を立てた流れで買い物リストを作り、重たいものはネットスーパーで注文。
買い物の使い分け:
- ネットスーパー:お米、牛乳、卵、調味料、冷凍食品など重量物や日持ちするもの
- 生協の宅配:定期的に必要な食材や日用品
- 実店舗:野菜、果物、デザートなど、目で見て選びたいもの(気分転換も兼ねて)
買い物の頻度を減らすだけで、かなりラクになりますよ。また、ネットスーパーは購入履歴が残るので、「前回何を買ったか」を確認でき、買い忘れも防げます。
⑦ 子どもに任せる習慣を。完璧を求めない【自立を促す仕組み】
「ママがやるもの」を手放す
片づけや準備を「ママがやるもの」と決めつけないようにしています。少しずつでも、「自分のことは自分でやる」を習慣に。
子どもに任せることは、単なる時短ではありません。子どもの自立心を育て、自己効力感を高める大切な教育の機会でもあります。将来、社会に出たときに必要な「段取り力」や「責任感」の基礎を、日常生活の中で培うことができるのです。
わが家のチェックリスト活用法
わが家ではホワイトボードにチェックリストを作り、「連絡帳を出す」「着替える」「ハンカチティッシュを持つ」など、年齢に応じたタスクを貼っていました。
年齢別のお手伝い例:
- 3〜4歳:おもちゃを片づける、脱いだ服を洗濯かごに入れる
- 5〜6歳:食事の配膳を手伝う、自分の持ち物を準備する
- 小学生:お風呂掃除、洗濯物をたたむ、簡単な料理の手伝い
達成したらマグネットを貼るだけで、子どももゲーム感覚で楽しめます。もちろん、うまくいかない日もありますが、完璧を求めないことで気持ちがずっとラクになりました。
完璧じゃなくていい。笑顔でいられる工夫を
完璧にやらなくても、家族は案外満足している
料理に掃除、洗濯。どれもきちんとやらなきゃ…と肩に力が入っていた頃、「今日はレトルトでいい?」と聞いたら、家族が「あ、いいよー」と。拍子抜けするほどあっけない反応に、なんだかホッとしたのを覚えています。
掃除も毎日やっていたのを週1にしても、誰も気にしませんでした。むしろ、自分の時間が増えて心に余裕が生まれた気がします。
もしかしたら頑張りすぎていたのは、自分の中の「理想の母」像だったのかもしれません。SNSで見るキラキラしたママたちと自分を比べて、勝手にプレッシャーを感じていたのかもしれないと、今になって思います。
ママがごきげんでいることが、家庭円満のいちばんのコツ
家族の雰囲気を左右するのは、案外ママの機嫌だったりします。イライラしながら家事をしていた頃、子どもたちまでピリピリしてしまって…。
でも、私が笑顔で「今日はお惣菜で手抜き〜」なんて言うと、「やったー!」とむしろ喜んでくれたり。
“きちんと”より、”ごきげん”。それだけで家庭はぐっと穏やかになるのだと、今は実感しています。
子どもたちが大人になったとき、記憶に残るのは「家がいつもピカピカだったこと」ではなく、「ママがいつも笑顔だったこと」なのではないでしょうか。そう考えると、多少の手抜きは全く気にならなくなりました。
“手放す勇気”と”工夫”で、暮らしはもっと楽になる
洗濯は1日おき、食器洗いは食洗機にお任せ。献立は週に一度まとめて考えて、買い物もネットスーパーで済ませる。そんなふうに家事を仕組み化することで、驚くほど時間にゆとりが生まれました。
「便利グッズに頼るのはズルじゃない?」そんな声が頭に浮かんだこともありましたが、今は思います。
時間を生み出すのも、立派な家事のひとつ。”やらない”選択ができるのも、賢いママの工夫です。
家電やサービスは、決して「手抜き」ではなく、「効率化」です。ビジネスの世界では当たり前の考え方を、家事にも取り入れることで、限られた時間をもっと大切なことに使えるようになるのです。
「ちゃんとできない日があってもいい」と思えるようになった
今日は洗濯物がたまっててもいい。ごはんがレトルトでも、掃除が手抜きでも、私は私。毎日100点じゃなくていい、と思えるようになってから、子どもの「ま、いっか」も、受け止められるようになりました。
完璧じゃないママを見て、子どもも「人ってそんなもんなんだ」と思ってくれたらいいなと感じています。完璧主義ではなく、柔軟に対応できる力こそが、これからの時代を生きる子どもたちに必要なスキルだと信じています。
おわりに
家事も育児も、全部を完璧にこなすのはむずかしい。でも、笑顔でいられる工夫なら、きっと見つけられる。
「できることを、できる範囲で」——それが、今の私のモットーです。
無理せず、自分の心にやさしく。そんな毎日を、これからも大切にしていきたいと思います。
この記事でご紹介した7つの時短家事術は、どれも私が実際に試して効果を感じたものばかりです。すべてを一度に取り入れる必要はありません。まずは1つ、試してみて、自分の生活に合うかどうか確かめてみてください。
毎日頑張っているすべてのワーママへ。あなたは十分頑張っています。少しでも心が軽くなるヒントになれば幸いです。